Keith の思い出

 実家に帰って荷物整理をしていたところ、亡き父がまとめた紙袋を見つけ、その中身は私がよく聴いていたレコードだった。

 ドラマーになることに反対していた父だったが、そのレコードはとても丁寧に袋が破けないように保管してくれていた。

 

 紙ジャケットのレコードを聴かなくなってから随分と年月が過ぎ、聴く音楽も変わってきたが、そのレコードたちを専用の道具で拭き、プレーヤーにのせ、聴き始めるとそのパチパチという「ヒスノイズ」に一気に時間が昔に戻った気がした。

 

 ものを処分することだけを考えていたこの八ヶ月間だったが、この瞬間、残さなければならないものがあると感じるようになった。

 

 思い出を残すための手段を考え、スペースを空けること。合理的に考えれば馬鹿げた行動かもしれないが、自分や父の思い出を残すことも仕事ではないのかと感じている。

 

 会えなくなった人や、過ぎた時代を思い出すこと。これは先見の妙のある人の人生のポートフォリオには加えられていないのかもしれないが、私の場合は違うようだ。

 

 思い出と暮らすことを大切にしながら過ごすためのポートフォリオ。

 

 それをこのレコードを聴きながらを作っていこうと思っている。


懐かしいKeith Jarrettのレコードたち。丁寧に磨き上げました。。



そして彼ら3人のStandars Trioの記録 youtube。 作ってくれた方、ありがとうございます。

Mitsushi Umezu web site

ドラマー梅津光司の日常や思ったことを書き綴ったBlog。そしてyoutubeでの動画もあります。 どうぞ楽しんでいってください。

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