遊行寺での「幕開け」

作者不詳の物語が人の心から心へ伝わり、様々に形を変えながら伝承されていくことがある。

 そしてその物語が語られた目的が、どんどん変わっていきながら芸能になっていくことを知るのも面白い。

 

 横浜ボートシアターは1981年に横浜の川に浮かぶ船の中を公演の場として立ち上げられた演劇団体だが、コロナの3年間を経て大きく活動を再開した。

 

 「新版 小栗判官 照手姫


 この物語の名を聞いてすぐに内容が浮かぶ人は多くはないだろうが、藤沢、和歌山、名古屋など、話に出てくる場所を各地は「おらが里の名物」として取り上げ、「いわれ」を解説するようになっている。

 今回は「いわれ」の地、藤沢は遊行寺の本堂で、このボートシアターの公演を見ることができ、たいへん楽しめた。

 何よりも演劇公演を間近で味わえるようになったことが、まず嬉しい。足音、息遣い、衣ずれの音。効果音の鳴り物。

 全てが体にダイレクトに降り注ぎ、自分の心も身体も反応する。

 寺の本堂の持つ「歴史と祈りのパワー」の中、演じ終えて舞台挨拶をする役者たちも感慨深そう。

 そんな「いい時間」をたっぷりと過ごし、この時期にしては暖かい空気の中、闇の色が深まった遊行寺を後にした。


遊行寺本堂入口の公演ポスター。雰囲気たっぷりで素晴らしい。


帰りに立ち寄って食事をした蕎麦屋「喜庵」。藤沢橋にある美味しい蕎麦屋さんです。おかみさんも良い方でした!


食事の前にまず一杯。秋田の銘酒「雪の茅舎」でゆっくりしました。

Mitsushi Umezu web site

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