メゾチントの黒
3/9は楽しみにしていた『長谷川 潔』展を観に町田市立国際版画美術館へ。
高校講師として最後の年にした1997年は、仕事を終えたあと、よくこの美術館のハイビジョンコーナーに通ったものだ。
自分を取り戻すために必死だったのだろう。
ハイビジョン画面に映し出される長谷川潔の作品『横顔』とそこに流れるピアノの旋律のピアニシモを聴き、こんな時間を表現できるようになりたいと強く願っていたものだ。
今回、第二展示室の最後に展示してあったこの作品をみて、20年後に「静謐さとピアニシモの意味」を知っているピアニスト、Phillip Strangeと出会い、音を出し合えたことの不思議さを思い出した。 長谷川潔とPhillip Strangeの二人との出会いは偶然ではなく、必然なのではないだろうか、とも思えてくる。
霧のなかから道が現れ、そこを歩き続けている感じの現在、「歩くことになったきっかけ」を思い出す時間を味わった。
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